昆虫の歩きかたを考える 20100425
4月25日。市川市の大町自然公園をぶらりと歩いてみた。
今から7年前の2003年に自然観察大学の第2回観察会をした場所だ。
●昆虫の歩き方を考える
ナナフシの幼虫をあちこちで観ることができた。ナナフシというとジッとして擬態するというイメージがあるが、若齢幼虫はけっこう動き回るようだ。
このナナフシ小僧のおかげで、6本脚をどういう順序で動かすか、つまり脚の運びというのがよく解った。左の前脚と後脚+右の中脚、右の前脚と後脚+左の中脚という3本ずつの2セットで、交互に動作するのだ(文章だとややこしいので実際に見ることをお勧めします)。
もう25年くらい前だろうか、故石井象二郎先生が“今度NHKが新しく開発した高速度カメラでアリを撮影してもらうことになった。長年の謎である脚の運びが解りそうだ”と話していたことが思い出された。あれだけの大先生が、間近に控えた新発見の夢を少年のように熱く語るのが印象的だった。
ところで、ナナフシが驚いたときに見せる“ウリウリ”という、左右に体を振る独特の動き、あれは何の意味があるんだろう。威嚇という説もあるようだが、それにしてはあまりに情けない動きと思う。そういえば、アブラムシの集団がみせる“ウインウイン”という同調した尻振りも謎だ。以前、アブラムシの松本先生に尋ねたが“うーむ。それはわからんです”と言っておられた。
   
ナナフシの一種の幼虫。
まだ体長1センチほど。顔はチョイワル。
●カメムシを食うカメムシ  
樹幹でかすかに動くものを発見。ヨコヅナサシガメがアオクサカメムシ(?)を捕らえていた。ヨコヅナサシガメは外来昆虫だそうだが、ここ数年頻繁に見る。
これを書きながらヨコヅナサシガメを検索したら、ネットオークションで幼虫5頭現在1,500円(送料別)という値段がついているではないか。“国内最大のサシガメ、ひそかに大人気”などという売り文句がついていた。外来生物よりも人間の生態には驚かされる。
カメムシを食うヨコヅナサシガメ幼虫。
 
報告:事務局O